教室の快適性と空気の質を両立する、
換気方法とは

2026年03月31日

学生が多くの時間を過ごす学校の教室。
その教室において、学習に集中できる「快適な室温」と、健康を維持するための「清浄な空気」は、どちらも欠かすことのできない重要な要素です。

新型コロナウイルスの流行をきっかけに、換気の重要性があらためて注目されるようになりましたが、日本の古い学校の多くには機械で空気を入れ替える設備がなく、窓を開けて換気するしかありません。
さらに近年は暑さが厳しくなり、快適さと換気を両立することが難しくなっています。
換気は感染症対策だけでなく、子どもたちの健康を守るためにも欠かせません。一方で、窓を開けすぎると、エアコンで整えた空気が外に逃げてしまい、電気の使用量が増えてしまいます。

学校の教室 01

そのため、省エネルギーに配慮しながら、効果的に窓を開けて適切に換気する方法を考えることが求められています。

学校の教室 02

この課題を解決するため、富士工業株式会社(FUJIOH)は、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻谷口准教授、および神奈川県立大船高校と共同で、「室内の快適性を維持しながら、効率的に空気の質を保つ最適な換気方法」を科学的に明らかにする研究を実施しました。

シミュレーション解析と実環境を組み合わせ導き出す最適解

本研究では、「本当に効果のある方法」を特定するため、以下の2つのアプローチを組み合わせて検証を行いました。

シミュレーション解析

コンピュータ上に教室空間を再現し、「どの窓を、何分間開けるか」といった複数の換気パターンを試し、空気の流れや温度、CO2濃度の変化を予測しました。

実環境での測定

シミュレーションで有効性が示された方法を、実際の高校の教室で実践。各種センサーを用いて室内の環境がどのように変化するかを精密に測定し、その効果を実証しました。

最も効果的だった換気方法とは

緻密なシミュレーションと実測調査の結果、快適性と換気効率を高いレベルで両立させるために、以下の方法が特に有効であることが示されました。

【効果的な換気方法の一例】

『休み時間ごとに、教室の対角線上にある窓を10分間開放する』

例えば、「廊下側の一番手前の窓」と「窓側の一番奥の窓」というように、空気の入口と出口の距離を最大化することで、よどんだ空気を効率的に室外へ排出できることが確認されました。

窓・ドア操作の指示をしなかった場合

窓・ドア操作の指示をしなかった場合

ランダムに窓を開けた場合

ランダムに窓を開けた場合

教室の対角の窓を休み時間ごとに
(最大10分)開けた場合

教室の対角の窓を休み時間ごとに(最大10分)開けた場合

より良い学習環境のために

この換気方法を実践することにより、以下の効果が期待されます。

快適性の維持: 冷暖房で快適に保たれた室温への影響を抑制します。
学習環境の向上: 眠気などの原因となるCO2濃度を基準値以下に保ち、生徒の集中力をサポートします。
省エネルギーへの貢献: 冷暖房の過度な運転を抑え、エネルギー消費の抑制につながります。

FUJIOHは、今回の研究成果が全国の教育現場における学習環境の改善に貢献できるものと考え、空気の価値を追求する研究開発を推進し、より良い社会環境の創造に貢献していきます。

イノベーショントップへ

PAGE TOP